犬の死後に行うこととは?葬儀までの流れやポイントを押さえて解説

この記事の監修者

家族の一員であるペットちゃんを手厚く見送ってあげたい!その『想い』を大切に寄り添える霊園でありたいと考えており、ペットロスに対する専門家である1級動物葬祭ディレクターを取得しております。

大切な愛犬が亡くなって気持ちの整理がつかなかったり、何をしたら良いか分からないことが多いでしょう。

とても悲しいですが、最後に大切な愛犬を送り出してあげることが大切です。

ここでは愛犬が亡くなってから、供養までの流れのポイントを抑え解説します。

この記事を読めば愛犬が亡くなってしまってからの必要なことを理解でき、愛犬の最期をしっかりと送り出すことができるでしょう。

目次

犬が亡くなったら行うこと

犬が亡くなってしまってから葬儀までに行う3項目を以下に解説します。

  • 死亡の確認
  • 遺体の安置
  • 葬儀に向けた準備

それぞれの項目を確認しましょう。

死亡の確認

はじめに愛犬の死亡確認を行いましょう。犬が亡くなってしまったと思っても、失神しているだけの可能性もあるのです。呼吸が止まってもしばらくの間心臓のみが動いている場合もあるため、死亡の確認は慎重に行いましょう。

犬が呼吸をしなくなり、意識を失った場合は仮死状態や失神している可能性を考慮して呼吸、体温、脈拍、瞳孔を確認します。

呼吸お腹が動いているか確認します。
犬が極度に弱っている場合は呼吸数がかなり少なくなることがあり、焦っていると見逃すことも多いため注意が必要です。
体温犬は死ぬ前に体温が急激に下がります。
体温の低下は触れることでも確認できますので、触ってみて体温が低いと感じた場合は死が近づいていると考えられます。
脈拍心臓が動いているか確認します。
胸の下あたりにある心臓が鼓動しているか調べたり、股関節周辺を通っている太い血管に触ることでも脈拍を測ることができます。
瞳孔目を開けて瞳孔に直接ライトを当て、収縮するか確認します。
ただし、この方法は目に障害が残る可能性がありますので、呼吸・脈拍・体温を確認して反応が無かった場合にのみ実行してください。
確認の結果、瞳孔に変化が無ければ死亡していることがわかります

遺体の安置

死亡の確認後は丁寧に遺体の安置を行いましょう。

1.身体を清めるお湯などで湿らせたタオルを準備し、汚れてしまった毛や口元、目元を拭きます。その後、ブラッシングで毛並みを整えましょう。
2.眠っているように
体勢を整える
亡くなってからおおよそ2時間前後で死後硬直が始まります。死後硬直が始まる前に四肢を優しく折り曲げ、お腹へ寄せてあげましょう。もしも、死後硬直が始まってしまった場合は無理に折り曲げてはいけません。関節が外れてしまうこともあるので、そっとしておきましょう。
その後、遺体をタオルや毛布で優しく包んであげます。
3.棺となる段ボール
など箱へ入れる
段ボールや木箱を用意し、棺とするための準備をします。死後硬直がゆるくなってくると、遺体の口や身体から体液が漏れ出てしまうので箱のなかにティッシュやペットシーツを敷きましょう。
4.遺体を保冷し安置するドライアイスや保冷剤を箱のなかへ入れ、遺体の腐敗を防ぎましょう。特に腹部と頭部から腐敗が始まるため、お腹と頭を中心にドライアイスなどを置くことで傷が傷みにくくなります。ただし、ご遺体に結露が付着しないよう注意しましょう。できるだけ温度を下げ、涼しい部屋で安置してください。
5.お供えをする遺体のまわりにはお花を供え、好きだったおやつやフード、おもちゃ、などを置いて時々声をかけ、寂しくないようにしてあげてください。ご家族で囲んで思い出を語り、最後のお別れをしましょう。また、棺に収め火葬してあげたいものも準備すると良いでしょう。

葬儀に向けた準備

遺体を安置したら、火葬業者などに連絡を行います。犬の火葬は、自治体などでも可能です。自治体での火葬の場合、一般的には廃棄物としての扱いになることが多く、火葬に立ち会うなどはできないため注意しましょう。希望の見送り方によっては火葬業者の利用がおすすめです。

共に過ごしてきた愛犬が亡くなった直後では、心の整理がつかないことや、家族の予定が合わないこともあるため、火葬は死亡2日以降に行なわれる傾向にあります。遺体を安置しておける期間は季節や環境によって異なりますが、火葬まで時間を要する場合はドライアイスなどで、腐敗を遅らせるようにしましょう。

犬の葬儀方法

犬の葬儀方法の以下の3つを解説します。

  • 火葬
  • 自治体火葬
  • 火葬以外の方法

それぞれの方法について確認しましょう。

火葬

火葬法は主に以下の3つがあります。

合同火葬合同火葬は、他のペット達と一緒に火葬を行う方法です。
他の火葬と比較し一番安価な火葬方法となります。忙しく時間が作れないなかでも、大切な愛犬をしっかり供養することができる方法です。
しかし注意しないといけない点があり、他のペットと合同で火葬されるため手元に遺骨として戻ってきません。大切な愛犬の遺骨を残したいという方は注意しましょう。
個別火葬個別火葬は、個別に遺骨が残るため合同火葬と異なり大切な愛犬の遺骨を残すことができます。
火葬業者が火葬を行い、火葬の際に遺族は立ち会いません。スタッフがご遺体をお預かりして焼き上げ、その後で遺骨を返骨します。
大切な愛犬の遺骨を残したいが火葬に立ち会うのは忙しかったり、火葬される現場を見るのはつらい方は利用するのが良いでしょう。
立会火葬立会火葬は人間の火葬のように家族が立会火葬を行う方法です。
他の火葬方法とは異なり、お別れから火入れお骨上げと段階を踏んで行うため気持ちの整理をしやすくできます。
人間と同じような手順で行うため、合同火葬や個別火葬と比較し料金はやや高めになります。
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自治体火葬

行政による自治体等の火葬は安価に行うことができます。

しかし、葬送を目的とはしておらず、犬の遺体を廃棄物として処理されてしまうところもあるのです。

各自治体によって火葬手段・目的はさまざまなため、自治体を利用する場合は事前に調査をしましょう。

また、以前に火葬したペットと同じ場所に埋葬したい場合、事前に調べて置かなければ違う場所に埋葬されてしまうことがあるので注意しましょう。

自治体での火葬を検討される方は、以下を参考にしてください。

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火葬以外の方法

火葬を行わずに供養する方法として、「土葬」があります。

人間の土葬は基本的に禁じられていますが、ペットの場合は私有地内であれば土葬することができます。

土葬の際に注意しなければならないのは、埋める場所です。犬を埋葬できるのは私有地だけです。他人の土地や、公園などの公共の場に埋めるのは法律違反になりますので、場所を決める際には注意しましょう。

葬儀後の犬の供養方法

犬の葬儀後の供養には以下の方法があります。

納骨堂納骨堂とは、犬の遺骨を預けられるスペースのことです。
納骨堂によりご遺骨を扱う棚が異なりますが、複数のペットのご遺骨が同じ棚に並ぶ「合同棚」や個別に管理できる「個別棚」などがあります。
また、供養方法がまだ決まっていないという場合でも、後から供養方法を変更できます。気持ちの整理をしっかりしてから供養方法を考えたい方にも納骨堂がおすすめです。
散骨犬のご遺骨をパウダー加工し細かくした後、自然に還す供養方法です。
ご遺骨は自然に還るため、愛犬も安らかに天国に旅立てるでしょう。
ただし、散骨する場合ご遺骨は戻って来ないので、思い出を残しておきたい方は、足形などをあらかじめ取っておくと良いでしょう。
埋骨ご自宅の庭に埋めることで、大切なペットとずっと側に感じられて、頻繁に手を合わせてあげられます。
お墓を別途用意したり、霊園に預けたりしないため、費用がかからないのが大きなメリットです。 しかし、埋める位置が浅いと、他の動物が掘り返すリスクがあり、トラブルになる可能性もあるため注意しましょう。
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まとめ

ここまでに、愛犬が亡くなってからの必要なポイント、葬儀後に必要なことについて解説しました。

愛犬が亡くなり、どうしたらよいか分からなくなったりとても悲しかったりと落ち着かない気持ちもあると思います。

しかし、大事な愛犬を最後に笑顔で送り出してあげましょう。

愛犬の火葬や葬儀、霊園での供養を検討される方はぜひご相談ください。

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