馬の火葬は行える?大型動物について対処方法の解説

この記事の監修者

家族の一員であるペットちゃんを手厚く見送ってあげたい!その『想い』を大切に寄り添える霊園でありたいと考えており、ペットロスに対する専門家である1級動物葬祭ディレクターを取得しております。

共に過ごしてきた大切な馬が亡くなって気持ちの整理がつかなかったり、何をしたら良いか分からないことが多いでしょう。

とても悲しいですが、最後に大切な馬を送り出してあげることが大切です。

ここでは馬が亡くなってから、火葬、供養までの流れのポイントを抑え解説します。

この記事を読めば、馬の火葬に必要なことを理解でき、最期をしっかりと送り出すことができるでしょう。

目次

馬は火葬が行えるのか

馬を火葬するには、通常のペット火葬炉では行うことはできません。

馬を火葬するための大型の火葬炉が必要になります。大型の火葬炉を有していても、馬やキリンのように足が長いと対応不可などの場合もあるので、注意が必要です。

また、大型の火葬炉があっても、都道府県から許可の下りた施設でのみ火葬や埋葬を行うことが出来ると言うことが原則とされています。

他の動物と異なる馬の対応方法の違い

上記にて馬を火葬する場合、大型の火葬炉を有していないと行えないほかに、他のペットや動物と異なるルールがあります。近年では、馬を個人で飼育する人の事例がありますが、一般的には獣畜として扱われます。

馬を含めた動物について、以下の2項目を解説します。

  • 法律での扱い
  • 対応方法

それぞれについて確認しましょう。

馬の法律での扱い

馬や牛といった動物は化製場等に関する法律に記載されている動物が基本的には該当となります。該当する内容は以下になります。

  • 化製場とは:獣畜(牛、馬、豚、めん羊、ヤギ)、魚介類、鳥類を原料として、皮革、油脂、肥料、飼料その他のものを製造するために設けられた施設で、化製場として許可を受けたもの。
  • 死亡獣蓄取扱場とは:死亡獣畜(牛・馬・豚などの死体)を解体し、埋却、または焼却するために設けられた施設や区域で、死亡獣畜取扱場として許可を受けたもの。

上記のように、獣畜の火葬や埋葬に関しては原則都道府県から許可がおりた死亡獣蓄取扱場でのみ可能とされます。

その主な原因は、獣畜を飼育する環境下で万が一感染症や伝染病が発生し、むやみやたらに火葬や埋葬などをしてしまうと、その感染症や伝染病が人やその他の動物に蔓延してしまう危険性があるからです。

そのため、都道府県から許可の下りた施設でのみ火葬や埋葬を行うことが出来ます。

馬が亡くなった後の対応方法

馬が亡くなった際は、上記の法律や自治体の条例に沿って、火葬前の遺体の準備を行う必要があります。

その後、火葬業者と連絡を取り、搬送方法を検討します。馬は大きく足も長いため、クレーンやトラックを使用する場合もあります。

対応に関しては、一度自治体のホームページや問い合わせをしてみましょう。

また、近年では馬・ヤギ、豚などを飼育されている一般の方もいるため、その場合には都道府県庁の許可が下りた場合にはペットとしてペット火葬を行うことが出来る事例もあるため、獣畜以外での対応方法があるかもしれません。

馬の火葬方法

馬の火葬方法を以下解説します。

  • 個別火葬
  • 合同火葬

それぞれの火葬方法について確認しましょう。

合同火葬

合同火葬は、他のペットや動物達とまとめて火葬を行う方法です。

他の火葬と比較し一番安価な火葬方法となります。忙しく時間が作れないなかでも、大切な馬をしっかり供養することができる方法です。

他のペットや動物と合同で火葬されるため手元に遺骨として戻って来ないので、馬の遺骨を残したいという方は注意しましょう。

しかし、一般的には馬の火葬は他のペットや動物と異なり遺骨が戻ってこないことが多いので注意しましょう。

個別火葬

個別火葬は、個別に遺骨が残るため合同火葬と異なり馬の遺骨を残すことができます。

火葬の際に遺族は立ち会わず、火葬業者が行います。スタッフがご遺体をお預かりして焼き上げ、その後でお骨を返すかたちを取ります。

これまで生活してきた馬のために火葬を行いたいですが時間を確保することが難しかったり、火葬の立会でつらく悲しくなってしまう方は利用するのが良いかもしれません。

馬の場合は、遺骨が返ってこない場合もあります。しかし、遺骨が返って来なくても、たてがみや尻尾の毛などが返ってきますのでそちらを供養しましょう。

馬の火葬費用と時間

馬の火葬は大型の火葬炉の使用や運搬などの費用があり、他のペットと比較し高額になります。一般的には以下の金額と火葬時間になります。

火葬費用100,000~200,000円
火葬時間半日程度

馬の供養方法

馬の供養方法について以下解説します。

  • 手元供養
  • 納骨堂
  • 合同墓地
  • 散骨

それぞれについて確認しましょう。

手元供養

手元供養とは、遺骨を手元に置いて供養することです。

細かくした遺骨の一部を容器に入れて保管します。容器に保管するだけでなく、常に身に付けられるペンダントにすることで亡くなったペットを身近に感じることができるというメリットもあります。自宅で保管するという意味で、デザイン性の高い容器も売っています。インテリアにこだわっている方はそちらを利用してみるのも良いでしょう。ペンダントに遺骨や写真を入れる方法もあります。

納骨堂

納骨堂は霊園内の屋内施設に、ロッカー型などの個別スペースがあり、そこへ骨壺や遺影、お気に入りだった遺品などを保管できます。

納骨堂によりご遺骨を扱う棚が異なりますが、複数のペットのご遺骨が同じ棚に並ぶ「合同棚」や個別に管理できる「個別棚」などがあります。
また、供養方法がまだ決まっていないという場合でも、後から供養方法を変更できます。気持ちの整理をしっかりしてから供養方法を考えたい方にも納骨堂がおすすめです。

合同墓

合同墓は、他のペットの遺骨と一緒にまとめて埋葬するお墓です。

合同墓では、遺骨は火葬後に霊園側に引き取られます。全てのペットの遺骨が一緒に埋葬されるため、後から自分のペットのものだけを取り出すことができません。年間管理費や追加費用などがかからないので、なるべく費用を抑えられるメリットがあります。

また、霊園によっては定期的な法要も行われており、ペットに対する供養も問題ありません。合同墓には、専用の大きな墓石や花壇を設けるなどして周囲が明るくなるような工夫も施されています。

散骨

散骨は遺骨を火葬後に細かいパウダー状になるよう加工し、特定の墓に埋葬せず自然に還すことができます。散骨をするためにペットの遺骨を細かくパウダー状への加工作業は個人では難しいため、専門業者に依頼するのがオススメです。

ペット専門の火葬業者や霊園などの中には、散骨を希望する人のために遺骨をパウダー状にするサービスを提供している所もあります。火葬前に申し込みをしておくと、散骨に適した状態で引き渡してもらえるためその後の処理がスムーズです。

ただし、ペットの遺骨であっても身近な場所に散骨されることに抵抗を感じる人も存在するため、その点に考慮して迷惑がかからないように気をつけましょう。

まとめ

ここまでに、馬が亡くなってから火葬までに必要なポイント、火葬後に必要なことについて解説しました。

大切な馬が亡くなり、どうしたらよいか分からなくなったりとても悲しかったりと落ち着かない気持ちもあると思います。

しかし、大事な馬を最後に笑顔で送り出してあげましょう。

馬の火葬や霊園での供養を検討される方はぜひご相談ください。

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